『人狼への転生、魔王の副官』原作6巻&コミックス『はじまりの章』1巻、
『私、能力は平均値でって言ったよね!』原作4巻&コミックス1巻の発売を
記念して、漂月先生&FUNA先生が、アース・スターノベル編集部を訪問!
今回が初顔合わせのお二人に、いろいろと語っていただきました!
☆漂月
『人狼への転生、魔王の副官』著者
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☆FUNA
『私、能力は平均値でって言ったよね!』著者 |
☆編集F
『人狼』担当 |
☆編集I
『のうきん』担当 |
人狼ヴァイトは漂月先生自身!?
赤き誓いは、『けいおん!』の4人娘だった!?
『人狼』&『のうきん』作者が明かす、創作の秘訣!
小説投稿サイト「小説家になろう」に出会い、人気作の執筆に至るまで
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――『人狼への転生、魔王の副官』と『私、能力は平均値でって言ったよね!』の原作本&コミック発売を記念して、本日は人気作家である先生方に作品のことや執筆の秘訣などを伺えればと思います。まずは先生方のお名前と、その由来について教えていただけますか?
- 漂月
『人狼への転生、魔王の副官』(以後:『人狼』)作者の漂月です。ペンネームの由来は、「小説家になろう」で執筆を始めたときに自分の活動自体が割とふわふわとしていて漂っているような状態でしたので、漂うの「漂」それに一文字「月」を足して「漂月」と名乗っております。あまり深くは考えられた名前ではないですけども……(笑)。
- FUNA
どうも、『私、能力は平均値でって言ったよね!』(以後:『のうきん』)の作者のFUNAです。実はFUNAというのは、ペンネームというより昔からのニックネームなので、あまりペンネームという認識はないんですが、一応FUNAと名乗っております。
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――両先生とも、書籍化のためのペンネームではなかったんですね。ビックリしました。
- 漂月
さすがに書籍化されるとは思ってなかったですね(笑)。
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――漂月先生とFUNA先生が「小説家になろう」(以後:「なろう」)をお知りになられたきっかけは何ですか?
- 漂月
実は僕は作家をしていたことがあるんですけど、「小説家になろう」のことは、そのときの知人から教えてもらいました。「小説家になろう」がすごく盛り上がってると聞いて、実際に見てみたら面白くて、自分でも書いてみようと思い立ったんです。それで「なろう」に投稿を始めて、ポイントが伸びてきたころにサイトを教えてくれた知人に言おうと思っていたら、アース・スターさんがすすっと声をかけてくださって(笑)。まだ投稿開始から1ヶ月も経ってなかったと思うんですけど。
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――そのお知り合いの方は今頃、驚かれてるかもしれませんね。FUNA先生の方は、どこで「なろう」をお知りになられたんですか?
- FUNA
私は「小説家になろう」で書き始めるまで、一日に2~3冊本を読んでたんですよ。それこそ毎月、何万円も書籍代にかかっていて。ただ、書籍には刊行ペースがありますから、自分が読むペースと刊行されるペースとが追い付かなくなって、途中から読む本がなくなって困っていたんです。そんななかでネットに小説があるらしいと聞いて、はじめは「アルカディア」という小説投稿サイトで読んでいたんですが、次第にそこの作品も読みつくしてきてしまって(笑)。次を探しているうちにたどり着いたのが「なろう」さんだったんです。
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――最初は読むだけだったけれど、次第に自分でも書いてみたくなったということでしょうか?
- FUNA
小学生のころからの「SF作家になりたい」という想いはあったけれど、就職して仕事も忙しかったので小説を書くなんて当然できず、諦めてしまっていて、ずっと読むだけだったんです。でも……。
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――でも?
- FUNA
仕事辞めて、ヒマになった(笑)。
-
――なるほど(笑)、読む時間以外にも、執筆にあてる時間が生まれたんですね。
- FUNA
いわゆる今のみんなの憧れ、アーリーリタイアですね。ただでさえ仕事をしながらでもいっぱい本を読んでいたのに、昼間もヒマになると読むものの供給が追い付かなくて、ヒマでしかたがない。で、読みたい本も尽きたので、「自分が読みたい小説を自分で書こう!」と思い立ちました。
- 漂月
ああ、わかります! 世の中にはたくさんの作品があるけれど、どれも自分が思っているものとは違って……僕も自分が読みたい小説がなくなってしまったので、『人狼への転生、魔王の副官』みたいな作品を自分で書くことにしたんです!
「小説家になろう」の読者層や人気ジャンルとは?
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――お話を伺っていると両先生とも読書家な印象がありますが、どんなタイプの本を読まれるんでしょうか?
- FUNA
なんでも読みます! 実は小学生のころからSF作家になりたくて。だから昔はSF小説をいっぱい読んでいたんですが、その後は、小説も漫画もなんでも読んでいます(笑)。
- 漂月
僕が子供のころに読んでいたストーリーものに関していうと、児童文学や10代向けのライトノベルの文庫本が多かったんですが、最近はもう全然自分に合わなくてですね。もっと大人に向けた30代、40代向けのラノベとかあればいいのになと思っていたんです。
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――大人向けのエンターテイメント小説がほしい、という想いはみんなあったのかもしれません。
- 漂月
そうですね。最初に『人狼』の書籍化を打診されたときに、編集Iさんからアース・スターノベルの『大人のエンタメ小説』という読者イメージを伝えていただいたんです。それがまさに、自分の思い描いていたこととぴったり重なっていたので「これはいける!」と思いましたね(笑)。
- 編集I
当時はレーベルを立ち上げて9ヶ月くらい。アース・スターノベルの読者は、ライトノベルの従来のターゲットとされる10代、20代の読者層より幅が広いのではないか? という仮説が見えてきた頃でした。つまり、アース・スターの本を手に取ってくださってるのは、いわゆるライトノベルの読者ではなく、かつてラノベやアニメやゲームが好きだったけれど、そこから10年くらい離れていた方々が多い。そういった方たちが、また戻ってきて楽しんでくださっているのでは、と。ですから、今のライトノベルの主流である萌えラブコメ、学園異能などの10代読者に特化して狙いすました作品よりも、もう少しナチュラルな作品が好まれているのではないかと、そう考えています。
- 漂月
確かに、実際WEBで書き込んでいただいた感想とか見ましても、読者さんの幅はすごく広いかもしれないです。
- FUNA
私は、それほど読者の年齢層というのは意識していないんですよ。自分が永遠の13歳なので!(一同笑) こういうジャンルが好きな人はみんなそう、特に男の子に多いですが、いつまでたっても13歳のままの子供の部分があると思ってるので、私の作品は10歳から80歳をターゲットにしています!(笑)
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――それは、だいぶ広いですね!(笑)
- FUNA
広い、広い(笑)。この間、『ときめきトゥナイト』のネタを入れたときも、読者の方からだいぶ反応が来ていましたね。私は本だけじゃなく、漫画、それも少女漫画も好きで。萩尾望都先生、竹宮恵子先生、あと中山星香先生、陸奥A子先生……とかは全部読んでました。もちろん少女漫画関係の月刊誌「別冊フレンド」「別冊マーガレット」「月刊プリンセス」「りぼん」も全部買ってましたね。
-
――多岐にわたって読んでおられるんですね。そういったさまざまなジャンルの作品の知識は、『のうきん』を書くにあたっても意識なさっているのでしょうか?
- FUNA
いや、していないんです! 私はいろんなジャンルの作品を読んでいますが、読んだとしても頭の中で分けずに混ざった状態で私の脳のデータベースに入っているので、アウトプットするときも混ざったまま(笑)。なので、作品を書くにあたってジャンルとか読者層とかは意識していないです。ただ、おもしろいものを書く、書きたいものを書く!
-
――すさまじい熱意ですね(笑)。漂月先生は『人狼』を書かれるにあたって、ジャンルや読者層は意識されましたか?
- 漂月
私はFUNA先生とは逆に、読者層はすごく意識していますね。ただ、ジャンルに関しては、当時自分でも決めかねまして。結局、ハイファンタジーのままにしてるんですが、一時期は感想欄でも「これは戦記物じゃないの?」とか、いろいろ言われましたね。自分でも何のジャンルを書いているのかよくわからない感じがあるんですけど(笑)、自分の中から一番おいしいところを寄せ集めて書いているので、そこはFUNA先生と同じなのかもしれないです。
- FUNA
ジャンルといえば! 実は『私、能力は平均値でって言ったよね!』はハードSFですからね!(笑) 作中の魔法も全部ナノマシンに由来するものですし、科学的にリアルで『のうきん』のファンタジー世界で場違いに思える文明が出ても、それは過去の文明だという設定なんです。作中で神様のような存在も出てくるのですが、あれも神様ではなく実際には昔に栄えた文明の高次生命体です! すべてSFです!(笑) 子供のころの「SF作家になりたい」という夢を果たしたと思うためには、『のうきん』をSFだと言い張るしかない! これはあくまでSF! 私は小学生からの夢をかなえた! SF作家になった!(一同笑)
- 漂月
実際、『のうきん』1巻の15ページ目あたりに、エントロピーの話が突然出てきて、面食らいました(笑)。それまでは、よくあるなろう小説の流れだったのに、いきなりそこでエントロピーの話が出てきたんですね。しかもかなり突っ込んだ内容なのに、知識のある人が書いたものだとすぐわかるくらいに正確に描かれていて、一瞬グッと身構えましたね(一同笑)。
- FUNA
それは「ハードSFだ!」って言い張るために書いたんですよ(笑)。
- 漂月
その辺りから、この作品と作者はタダ者ではないとわかって……(笑)。作品の雰囲気づくりのために背伸びして、知らない単語を無理に使ってるような小説ではなくて、作者ご本人の中で当たり前のこととして身についている知識を、ストンって出してきた感じだったので。これは、ものすごく賢い人が書かれた作品だと感じました。そうすると、逆に「ほんわかした部分は全部計算なのか?」とか、物語の全てが緻密に考えられて作られているんだと感じで空恐ろしくなりました(笑)。
- FUNA
(笑)。
- 漂月
ナノマシンの設定も読んでいてすごい気持ちいいんですね。無理に作ってる感じが全然しなくて。こういう設定が好きな人が、好きだからこの設定にしてるっていう印象なんです。そのおかげで作品の土台がとてもしっかりしていて、かわいらしい見た目の作品に反して、その底にすごくがっしりした土台があるなあと思って、ますます身構えたというか……正直「怖い!」って思いました(笑)。
- FUNA
ナノマシンは初めは「魔法の役割はこれです」と、あくまで科学だと言い張るための存在だったはずで、あんなにフレンドリーに顔を出す予定は全くなかったです。私は平井和正先生みたいに、登場人物が下りてくる系なので、登場人物にこういう行動をさせる、ここでこう言わせるとかは全く考えてないです。シチュエーションだけあれば、登場人物は勝手に動くんですね。だからナノマシンも、いつの間にか勝手にああなってしまって。……なんであんなになっちゃったんだろう(笑)。
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