あなたの“好き”がココにある。アース・スターノベル創刊!

offitial twitter

フォローする




アース・スターノベル 毎月12日刊行!!

漂月先生×FUNA先生対談 【後編】

  • 「Q:『なろう』の感想欄で印象に残っている書き込みを教えてください」
  • FUNA読者さんにいただいた感想はほとんど覚えています。強烈な批判もキリキリと心に刻み込まれてるけど、それは思い出したくないので置いといて(笑)、その他の感想はどれも全部読ませていただいて参考にしています。特に嬉しいのは「面白かった」っていうストレートな感想や「こんなネタは絶対わかるまい」と仕込んだネタを分かってくれているのに、あからさまに分かってるとは言わず、ちょっと含んだ返しをしてくれる方ですね。
  • 漂月僕は読者の方から「安心して読めるのが好きだ」って言っていただけることです。安心感を一番大事にしていますので、そこを汲み取っていただけるとやっぱり嬉しいですね。
  • 「Q:『なろう』というサイトのよさはどんなところだと思いますか?」
  • FUNAやっぱり、誰でも無料でノーリスクで簡単に小説が投稿できるところですね。先ほど「作家になるのがずっと夢だった」と言いましたけど、私は仕事を辞めて手が空いても、作品をもって出版社を回ることができる勇気なんて到底なかったと思うんです。だから、もし気軽に投稿できる「なろう」がなかったら皆さんに読んでもらったり、ましてや本にしてもらうことなんてありえなかったですよね。あと、読者さんの生の感想がリアルタイムでもらえるところ。これはメンタルの弱い作家さんにとっては毒にもなるんですけど(笑)、私は結構図太いんでそういう人間にとっては感想欄も含めてとてもいい場所だなと思ってます。
  • 漂月作品の反応をすぐに得られるので、読者との距離が近いことですよね。あとPVやポイント、ブックマーク数などを総合的に判断して客観的なデータが得られること。これは、書く側からすると非常に有益だと思います。僕が以前、他社で書いていた頃はそういうデータを編集部から得ることができなかったんですよ。編集さんが言っていることが本当かどうか分からないし、読者がどういう話を望んでいるのかも分からない。自分では「違うんじゃないか」と思っているけど、編集さんが「それじゃないと通さない」というから「どうも違う気がする」と思いながらやってたんです。でも「なろう」で書いてみて、自分の作品のアクセス数が伸びたことで「やっぱり自分の感覚とファンの意見が合ってるじゃないか!」と分かって。そういった判断ができるようになったので、信頼性の高いデータが生の声とともに得られることはすごく大きいと思いましたね。
  • 「Q:書籍化されて嬉しかったこと、びっくりしたことはなんですか?」
  • FUNAもちろん、本を出していただけるだけでも嬉しかったです。でも、たくさん書籍化されている「なろう小説」の1つに過ぎないですし、まったくのド新人だったので「なんとか第二巻が売れたらありがたいな」「ちょっとでも出版社に迷惑かけず、赤字にならなきゃいいな」なんて思ってたら、いきなりオリコンに載ったことが一番びっくりしました! あと『のうきん』の原作4巻とコミック1巻が出た時に、自分でもコミックを書店に買いに行ったんですね。そしたら、『のうきん』の3巻を持った店員さんがお客さんを連れてうろうろしたり、戸棚を空けているんですよ。もしやと思って「ひょっとして『のうきん』の4巻を探してますか?」と聞いたら、はいと言うので「こっちです!」って平積みの場所に案内しちゃった(笑)。売り上げに貢献してきましたよ。
  • 漂月僕は逆に書店で自分の小説も漫画も全く見かけることがないんですよ。それなのに、編集部からお聞きするとなぜかどんどん売れているという。「皆さん、どこで買ってくださるんだろう?」と不思議でしたね。
  • 編集I全国にライトノベルなどのジャンルに強い書店さんがありまして、そういったところで集中的に売れているそうです。以前は500店舗前後といわれていたのが現在は1000店舗近くまで広がっているそうです。今後はさらに増えていくかもしれません。
  • 「Q:書籍化されて、家族や友人にはどのようなことを言われましたか?」
  • FUNA原作の1巻か2巻が出た頃ですかね。友人からしみじみと「FUNAさん。これ、本当に典型的な“なろうドリーム”ですよねぇ」と言われました(笑)。その時、初めて聞いたんですけど「なろうドリームの体現者」っていう意味のこの言葉はよく覚えています。
  • 漂月僕は「ヴァイトの言動が漂月さんに似てますね」と創作仲間の人に言われたことです(笑)。あまり意識してなかったんですけど、「本当なのかな?」って未だにずっと思ってます。
  • FUNA私も『のうきん』の前に書いてた2作の主人公は「FUNAさん、これあんたそのままやん」って読んだ友人から言われました(笑)。やっぱり、登場人物は書き手に似るんじゃないかと思いますけどね。
  • 漂月先生からFUNA先生への「3つの質問」

  • ――次に、先生お2人からお互いに聞きたかった質問をそれぞれ3つご用意していただきました。まずは、漂月先生からFUNA先生への質問です。
  • 「Q1:『のうきん』が大ヒットした理由をどのように分析していますか?」
  • FUNAはい。前回の対談でも少しお話ししましたが、全く分析はしてないですね。私は「おやじギャグ」とか古い作品のパロディネタとか、自分が言いたいギャグを好きに書いてるだけなので。時々不安になったら感想欄のメッセージを読んで、皆さんの反応に「うん、大丈夫!」と安堵しながら書き進めています。
  • 「Q2:執筆の際、気をつけていることはなんですか?」
  • FUNA作品の展開に合わせた論理的整合性を守ることですかね。登場人物らしからぬ行動をさせないのは絶対です(笑)。あともう1つ、執筆の際に必ずやっているのは「しつこいまでの推敲」です。誤字脱字、誤用だけじゃなくて、違和感なくテンポよく読めるように何度も何度も見ています。ちょっとした平仮名の使い方や送り仮名1つにしても、ちょっとでも引っかかったら書き直すようにしていますね。
  • 「Q3:FUNA先生にとって、主人公のアデルはどういう存在ですか?」
  • FUNAメタ的な言い方をしてしまうと「作家になりたいという私の夢をかなえてくれた恩人」。1人の人物として見れば「年のすごく離れた妹」か「近所の幼馴染の女の子」ですかね。自分の子供が遊んでるのを見て見守ってるような感じかもしれません。
  • FUNA先生から漂月先生への「3つの質問」

  • ――そして、FUNA先生から漂月先生への質問です。
  • 「Q1:「なろう」作家の先輩にお聞きしたいのですが、感想欄への返事はどのようにしていますか?」
  • 漂月実は、答えきれなくなってしまったので、基本的にもう感想欄への返事はしていないんですよ。ありがたいことに1日に20件くらい感想をいただくこともあるのですが、1つにお返事書くだけで10〜20分はどうしてもかかってしまうんですね。場合によっては「どうお答えしようかな」と考えたまま、30分ほどパソコンの前で固まってしまったこともあります。僕は執筆以外にも家事と育児もしなくてはならないので、ある時期を境に断腸の思いでお返事を打ち切りさせていただいたんです。
  • 「Q2:「『専業作家になろう』と決心された理由を教えてください。不安はありませんでしたか?」
  • 漂月僕はもともと教員志望だったんです。大学の教育学部を出て、臨時採用として学校にも勤めていたんですけど、どうも肌に合わなかったんです。その後、塾講師もしていましたが、これも安定した仕事ではなかったので悩んでいました。そんな中、ある出版社に作品を投稿したところ、編集部から「書いてみませんか?」と声をかけていただいたのが作家になったきっかけですね。初めは塾講師も兼業していましたが、しばらくして専業に移行することに決めました。ちょうど家庭を持とうと考えていた時期で、塾講師だと休日にあわせて出勤することが多いため、育児も視野に入れると「生活が難しそうだな」と思ったんです。まぁ、どっちも家庭を持てそうにないんですけども、まだ可能性がありそうなのは専業作家かなと(笑)。
  • 「Q3:執筆とプライベートはどのように切り分けされていますか?」
  • 漂月もう「強制終了」させています(笑)。先程もちょっと触れましたけど、僕は家事と育児をしているのでご飯も作るし、子供の保育園の送迎もやっているんですね。そうすると、どんなにノリノリで原稿が書けている日だったとしても、保育園に迎えに行く時間がきたらそこで手を止めなきゃならないんです。否が応でも区切りをつけさせられている感じですね。作家さんの中には「この日は執筆はしない」っていう休業日を設けて他の方の作品を読んだりされる方もいらっしゃるようなので、僕も子供が育ったらそうしようかなと思っています(笑)
  • ――先生方の人柄をより一層知ることができました。FUNA先生、漂月先生ありがとうございました!

3万字の大インタビュー、最後までお読みいただき有難うございました!
楽しんでいただけたなら嬉しいです。

また、編集部メンバーも、先生方の熱意に触れつつ大変貴重な時間をすごさせていただきました。
FUNA先生・漂月先生、熱いお話をありがとうございました!!

【アース・スターノベル編集部一同】



TOPへ戻る


狼への転生、魔王の副官 ノベル

狼への転生、魔王の副官 コミック はじまりの章

私、能力は平均値でって言ったよね! ノベル

私、能力は平均値でって言ったよね! コミック